地域しあわせ風土調査
この研究活動の一環として実施したのが、日本全国15,000人を対象としたアンケート調査です。この調査では、地域の幸福度を2つの側面から調査しました。
1つはそこで暮らす個人が、やってみよう、ありがとう、なんとかなる、あなたらしく、ほっとする、この5つの気持ちを現在どの程度感じているかという「風」の質問です。そういう気持ちの人が多ければ多いほど、地域には現在しあわせな気運が流れていることになります。
もう1つは、その地域にこの気持ちを後押しする価値観や土壌がどの程度根ざしているかという「土」の質問です。地域には長年培われた地域独自の考え方や価値観が根づいています。やってみよう、ありがとう、なんとかなる、あなたらしく、ほっとする。この気持ちを住民に植えつける土壌がなければ、一時的な変化や景気の上昇、新規住民の増加などの風が吹いても、結局のところは定着しません。
この2つが揃って始めて、地域の中長期的なしあわせを実現することができると考えました。 風、土それぞれ5つの指標のスコアの合計を[風]スコア、[土]スコアと、[風]と[土]の合計を「地域しあわせ風土」スコアと定義しました。
「地域しあわせ風土スコア」算出方法
10の質問の5段階評価(非常によく当てはまる/少し当てはまる/どちらともいえない/あまり当てはまらない/全くあてはまらない)のトップ2ボックス(非常によく当てはまる+少し当てはまる)の合計パーセントを足したものを「地域しあわせ風土スコア」(「風」「土」それぞれのスコアを加算)と定義しています。
[風]10の質問
やってみよう指標
1. 得意としていることがある
2. 何か、目的・目標を持ってやっていることがある
ありがとう指標
3. 人を喜ばせることが好きだ
4. いろいろなことに感謝するほうだ
なんとかなる指標
5. いまかかえている問題はだいたいなんとかなると思う
6. 失敗やいやなことに対し、あまりくよくよしない
あなたらしく指標
7. 自分と他人をあまり比べないほうだ
8. 他人の目を気にせずに、自分がやるべきだと思うことはやる
ほっとする指標
9. 現在の暮らしや、自分の将来への不安は少ないほうだ
10. 自分は安全な生活を送っていると思う
[土]10の質問
やってみよう指標
1. 自分の好きなこと、得意なことに熱中している人が多い地域性、風土
2. 目標を持って頑張る人を応援する地域性、風土
ありがとう指標
3. 助け合いや感謝の気持ちを大切にする地域性、風土
4. 人間関係が豊かで、挨拶や笑顔あふれる地域性、風土
なんとかなる指標
5. 挑戦することを応援し、失敗を許容する地域性、風土
6. 楽観的、前向きな地域性、風土
あなたらしく指標
7. 人と違うこと、個性を大切にする地域性、風土
8. よそもの、若者、マイノリテイなど多様な人を受け入れる地域性、風土
ほっとする指標
9. 食べものや、住まいには困らない地域性、風土
10. 身の危険を感じず、安全に暮らせる地域性、風土
調査概要『地域しあわせ風土に関する調査』
調査目的:慶應義塾大学大学院前野教授の幸福4因子をベースにしたオリジナル指標により、地域住民の幸福度を測り、その地域の住民の幸福度向上のための政策や地域ビジョンづくりに役立てるための示唆を得る
調査地域: 全国47都道府県
調査時期: 2014年2月28日~3月10日
調査方法: インターネット
調査調査対象者:20歳から64歳までの男女、現在の地域に3年以上お住まいの社会人(単身赴任者と学業専門の学生は除く)
サンプル数:15,000(各都道府県300サンプル(北海道のみ道東・道央・道南・道北各300)、男女各150名、20-34歳・35-49歳・50-64歳 各100名)