震災復興+design 復興行政(神戸)賞

+おにてんでんこ

作者 : 田中 里佳 / 邢 娜 / 金 允柱

作者からのコメント

「てんでんこ」とは「点でバラバラに(逃げろ)」という岩手三陸地方に昔から伝わる言葉です。おにてんでんこは災害を鬼に見立て、それから逃げることを意味します。人は非常事態に遭遇した時、自分で判断して行動しなくてはなりません。重要なのは子供の頃から考える力を養っていくこと。今回の震災で培った教訓や記憶が語り継がれるためにも、遊びから防災に関心を寄せ自ら防災について考える教育を提案します。

講評

本作品は津波・地震・火災という3つの災害に対して日頃から備える行動を、子どもの頃からの遊びから自然と身につけるというアイデアが高い評価を受けました。また、日中韓共通の遊びを用いたという東アジア全域に展開可能だという汎用性も優れた点です。以下が審査員のコメントです。

  • ロゴの違いが色だけというのは少々弱い気がしますが、キャラクターで防災教育プログラムを作る案に好感
  • 遊びのつもりでイザという時の判断力が身につくというすぐれもの
  • 防災訓練は非常に重要であるが、なかなか真剣に取り組むことができないという側面がある。それをふまえ、肩をはらない防災教育を進めるというところが面白く、これであれば、継続的効果的に身に付けていくことが可能となる。遊びに防災の観点を入れる、教育カリキュラムに沿って学習の中に組み込む所は、具体につめていかないといけない。実現にあたっては、大きく働きかける動きと、実際にやってくれるところを探す両面の動きが必要になってくると思われる。
  • 「てんでんこ」を継承する新たな仕組みになれば。神戸でも”かえるキャラバン”という楽しみながら防災の知識を習得できるイベントがあるが、このデザインは日常において、防災の知識が学べる可能性・楽しさもある。そもそもの遊びの設定が少し強引ではあるが、これから練っていければ面白いものになりそうです。
  • 子どもの頃からの遊びを、震災を忘れないためのものにするための優れたアイデア。教育カリキュラムに沿ったステップは学校教育に取り込んでもらいたい。また、年長の子どもが年少の子どもに教えることも必要です。子どもとともに、大人もコミュニティごとに一緒に遊びましょう。

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