震災復興+design 防災コミュニティ賞

原始的な日を創る

作者 : 瀬木 雅博

作者からのコメント

時間がたつと記憶が薄れてしまいます。ニュースで心痛めた沢山の人々の、一時は感じた危機感がゆっくりと薄れていっていまいます。震災の記憶の残し方に工夫が必要です。次代の子供達のために、これからのために、語り継ぐことに加えて、震災の体験、経験を日常に浸透させる仕組みが必要です。震災時には頼ることのできないインフラに依存しない"原始的な日"を創り、様々なアプローチで人々に浸透させていきます。

講評

本作品は東日本大震災の教訓を生かし、次の自然災害に備えるために必要な地域コミュニティづくりの活動の一環として、実現可能性の高い地域住民参加型の新しい暦、場、仕組みのデザインが高い評価を受けました。以下が審査員のコメントです。

  • 復興との関連は弱いが、原始人ルックの子どもたちがピクニックしている光景はまことにほほえましく、心に響くデザインの力を持っていると思いました。
  • 原始回帰の視点が面白いと思います。しかし、住んでいる地域と無理につなげずに、キャンプ場や自然体験型の娯楽施設の幼稚園·小学生向けプログラムとして考えたほうが事業としての実現がしやすいのではなかったしょうか。
  • 幼い頃からの家族単位での防災予防は教育効果が高い。また、海外でも活用できる内容である。
  • 子どもたちが未来を作るうえで必要なリアリティを感じられる良い機会。楽しく学べると良いですね。
  • 「便利と快適=幸福と尊厳」ではない。基礎自治体の政策として取り組むことが可能となり、知識ではなく知恵を身につける教育手法であるといえる。被災地に限定せずとも、これからの日本に必要な考え方だと思います。
  • あえて不便な暮らしをしてみる発想はとてもよい!!衣食住+排泄について、何もない状況で子どもの頃に体感した人としなかった人では震災後の初動が違いました。ぜひ実現して欲しい。4-5歳の子どもが対象の場合、「お客さん」になってしまい、体感に結びつかないことが多いので、小中学校にも導入されるプランがあるとなお良いと思う。

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