奈奈子祭とは

背景

平成25年1月13日にNHKで放送された復興サポートの番組において、壊滅的な被害を受け今後の見通しもたっていない鵜住居(うのすまい)地区を中心とする芸能団体の代表者が、郷土芸能を通じて、バラバラになった住民を呼び寄せるためにはどのようにすれば良いか、話し合いました。その中で「数年後にでもこの番組に集まった団体で郷土芸能祭ができればいいな」という話が出て「数年後ではなく、即実行しよう!」と参加者の1人である、笹山奈奈子さんが発声して実現したイベントです。

このイベントは近い将来、片岸・鵜住居・両石(りょういし)・唐丹(とうに)に場所と名前を変えて展開したり、その地区の祭に友情出演したりして継続していきたいと考えています。他の地区でも後に続いて同じような方々も出てくれば良いなという願いもあります。

発声者 笹山奈奈子さんの想い

「私たち家族は守られたんです」と、奈奈子さん。

震災の2 日前、奈奈子さん、お母さん、おばあちゃんの家族の女性3 人が揃って「鵜鳥(うのとり)神楽」の夢を見たそうです。大きな被害を受けた鵜住居地区で家族全員が無事だったのは「鵜鳥の神様が守って下さったから」だと言います。


もともと奈奈子さんの実家は、三陸に伝わる神楽巡行のお宿でした。そして震災後、地域のおばあちゃんを喜ばせたくて「神様と地域の人々が集まる場」として、奈奈子祭が生まれました。1 回目は実家で、旅館宝来館に場所を移しての2 回目。敢えてステージは設けず、幕を張った空間でお客と出演者が「平面上の交流」をするのが奈奈子流です。そこが、従来からの数ある伝統芸能祭との大きな違いでありこだわりでもあります。


「今後は募金や寄付ではなく、関東や関西から、ここへ来て、観て、応援してほしい」。

ぜひ、活気溢れる祭の場へ足を運んで三陸の芸能を体感してください。


奈奈子祭~夏の陣~の様子